中古住宅をこだわりの空間にリフォーム
二十年前に、自宅の近所に完成したあるモデルハウス。
「住人の方とご近所付き合いもありましたので、まさか建てられてから二十年経って自分たちがそこに住むようになるとは夢にも思ってみませんでした」
今回は、中古住宅を購入し、自らの夢を叶えるためにリフォームをした樋口さんご家族の紹介です。
都内で洋菓子の修行をし、製菓衛生師の国家資格を取得した奥様は、いずれ自分のお店を開きたいという想いをずっと心に抱いていました。修行を終えて宇都宮に帰郷し、約二年前、お店のオープンを計画します。
どのような形態のお店にするか、新築やリフォーム、賃貸と多くの可能性を含めて検討し、リフォームのプランを考える際には、ドクターリフォームサンセイへ相談しました。奇遇にも同社の社長と自宅が近所で、中学校が同じ豊郷中学校だったことから親しみがあり、相談をもちかけたのでした。その時は結局、以前レストランだった物件が居抜きで借りられることになり、そこにお店をオープンしました。
イタリア語で心という意味の、「CUORE」と名づけられたお店。オープンから一年が経ち、常連のお客さんも増えつつありましたが、駐車場のスペースが足りなかったこと、そしてお店までの通勤が大変だったこともあり、移転を検討するようになりました。
そうした矢先、実家近くの家が売りに出されるということが耳に入ってきたのです。それが、その近所のモデルハウスだったのです。老朽化によりあちこち傷んではいましたが、充分な駐車場のスペースがあり、道路にも面しています。リフォームをすれば、ここにお店を開けるのではないか。そんな想いのもと、ご夫婦はこの物件を購入することを決めたのです。
リフォームを検討するにあたり、再度ドクターリフォームへ相談、打合せを進めていきました。ところが、計画を詰めていく段階で思わぬ障害に見舞われます。資金面の問題でした。銀行のリフォームへの融資体制は新築に比べ条件が良くなく、新築であれば借り入れできた額でも、リフォームになるとそれよりも少ない額でしか借り入れることができないという現実があったのです。
そのため、一階部分をお店にするという当初の計画は変更することに。しかし、これまでも強い想いのもとに自ら道を切り拓いてきた奥様は、方針を転換します。近い将来、インターネット販売や、テイクアウトでの販売が可能となるよう、菓子製造のためのスペースを設けることを今回のリフォームの最優先項目にしたのでした。
「途中から方向性が色々と変わってしまったのですが、こちらの要望をよく聞いて頂き、プランニングを進めてくれました」
使われる素材の仕様など、資金面での折り合いをつけながら、リフォームプランが練られていきました。まず、一階西側の和室は菓子製造スペースと洋室に。傷んでいた床や壁、天井はクロスを貼り替え、また一部は新たに塗り直すことで一新しています。老朽化していた浴室とトイレも、設備を最新のものに入れ替えました。以前は壁に面していたキッチンは対面式に生まれ変わりカウンターもついています。
「子どもを見守りながら料理ができるのが良いですね。会話をしながらできることも嬉しいことの一つです。」
と奥様は話します。以前団地に住んでいた時は、子どもが小さいため下の階の方に迷惑がかからないよう配慮していたそうですが、今はのびのびと子育てができている様子が、ご主人の笑顔から伝わってきます。
「新たに設けたお菓子づくりの部屋が、どこにもない私たちだけの空間です。これから少しずつテイクアウトやネットでの販売を視野に入れて、お菓子づくりをしていければと思っています」
夢をかなえ続けるご家族から、爽やかな元気が伝わってきます。