INPUT TRAVELインプットトラベルブログ

Cambodia

カンボジア旅行記

2011年震災後の自粛ムードの中、旅に出た先はCambodia。この頃の私は色々なストレスで両耳の聴力が著しく低下し、補聴器まで使用しなければいけない状態だった(現在は手術で右耳が復活)。気持ちを前向きにしてくれるinput*travel in Cambodia写真と併せてご覧ください。


カンボジアの首都プノンペンから飛行機で1時間もかからない場所に位置する都市がシェムリアップ。遺跡好きなら聞いただけでウズウズしてしまうほどたくさんの有名遺跡が眠る街だ。中でもやはり朝日を浴びたアンコールワットは幻想的で、もう一度訪れたいと感じた。また、タプロームと呼ばれる遺跡(映画トゥームレーダーにも登場)は、戦争時代に放置状態が長く続いたことで、樹木の根が遺跡を包み込むとてもミステリアスな形で保存されていた。


アンコールワット


タプローム


遺跡をトゥクトゥクで移動中、一生懸命に石を掘っている子供たちを見かけた。聞いてみると将来遺跡復旧の仕事に就く予定の石工の卵なのだそうだ。歴史上、日本人の石工が現地の人たちに技術を継承してきたと知っていたので、今もその技術がこうして受け継がれていることに同じ日本人として嬉しい気持ちになった。


笑顔の子供


石工の卵


1953年、カンボジアはフランスの植民地から独立し自らの力で国をつくろうとしていたが、ベトナムなどの隣国と緊張状態が続き、国内も政権争いで混乱していた。1975年ポル・ポト派は学校教育廃止や宗教活動禁止などの伝統や社会性を一切無視した無謀な政策を断行した。何の罪もないカンボジア国民が反革命分子(スパイ)とみなされ残虐な拷問の後に処刑され、大きな穴に捨てるように埋められた。
その場所を人々はキリングフィールド(殺戮の土地)と呼ぶ。プノンペンにあるトゥール・スレン博物館は、実際に拷問が実行された刑務所だが、本当は高等学校の校舎として建てられたものであり、現在も当時の様子のまま保存されている。元教室内に細かく仕切られた3畳ほどの独房や、外廊下に張り巡らされた鉄格子は、写真を撮ることを躊躇してしまうほど惨い印象を受けた。


キリングフィールド


地雷博物館


現地を訪れるまでは、水上生活者と聞くとどこか優雅で気楽な生活を連想していた。ところが現実は全くの反対で、川の氾濫で親を失った子など国籍不明となっている子供たちも大勢いるそうだ。途中に寄った水上小学校では、観光客から支援物資を募っていたのだが、ヨーロッパ系の男性が「この女の子に服を送ってあげたいから住所を教えてほしい」と先生に伝えると、「ここには郵便物は届きません。」国籍がないということはそういうことなのだ。


水上生活


水上生活


水上生活


水上生活


水上小学校


 この旅では、戦争の爪痕が残る建物や博物館などからふだん感じることのできない平和を感じ、移動中に見えた田舎の景色や子供たちの笑顔に素朴な美しさを感じ、素直な気持ちと元気をもらった旅でした。


 Hiroto Yamaguchi


 












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