お客様の要望・コンセプト
年齢を重ねるにつれ、寒さや生活動線の不便さをおぼえることが多く増えてきました。そんなご両親を気遣った娘さんの後押しで進められた今回のリフォームです。築32年になる農家造りのご自宅の「寒い、暗い、使い勝手が悪い」を改善しました。 全体的な住まいの老朽化に加え、ここ数年の奥様のお悩みは茶の間と分断されたキッチンでした。離れていた間取りだったため、日々料理をして配膳することが徐々に足腰に負担となってきていました。そのため、対面式のダイニングキッチンとして、家事動線の改善を図りました。また、これまで廊下の奥のずっと離れたところにあったトイレは、今回新たにダイニングに隣接させました。これらにより、日々の生活動線は格段と効率的に、そして安全なものへと生まれ変わりました。 茶の間は、使っていなかった洋間と一体した空間となりました。この家族の新たな憩いのリビングでは大きな窓を設けて明るさをもたらし、暗さを解消しました。リビングの一角には、ご主人たっての希望であった畳のスペースと掘りごたつを設けました。壁面に貼られたケヤキの板は、明治時代から使われてきた大黒柱を加工して、リビングのアクセントとしたもので、住まいの歴史を脈々と今に伝える貴重な家財です。寒さ対策には、周囲に断熱材を施工し室内にはオール電化を生かした蓄熱式暖房器を導入しました。 玄関正面にある、明り取りを兼ねた欄間には一風変わった仕掛けが。設計者の工夫により、福田さんの家業であるバラ栽培で育てたバラの花をドライフラワーにして欄間の中にしつらえました。華やかな欄間がお客様を出迎えています。
DATA
- 構造
- 木造1階建て
- 築年数
- 32年
- 施工期間
- 105日
- 施工面積
- 69.15㎡(21坪)
- 施工部分
- リビング、ダイニング、キッチン、浴室、洗面脱衣室、トイレ、玄関
BEFORE
