馴染んだ温もりを残しながら

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馴染んだ温もりを残しながら

新築と見間違えるほどの全面リフォームにより、意匠的にも機能的にも満足できる住まいが実現しました。

昭和六年に上棟した家の老朽化が進み、新築を検討しましたが、それまで住んでいた家の温もりを残したいと考えていた登さんの意向を反映してリフォームすることにしました。

その当時、テレビや雑誌において頻繁にドクター・リフォームの名を見聞きするに及び、この業者にしようと即決。さっそく依頼の電話をしました。

 それまでの住まいは典型的な農家のつくりでした。広いけど暗く、すきま風のために冬の寒さは厳しいものがありました。部屋数は多く、その境には段差がありました。玄関と居間の間の段差にいたっては、三十センチほどもあり、特に高齢のカノさんにとっては大変住みにくい家でした。

「はじめ、ドクター・リフォームさんには二通りの案を持ってきていただきましたが、ひとめ見て気に入りましたね。早速工事に入りました。本来であれば、娘が一級建築士の資格をとっているので(注:由喜子さんは二十代の若さで一級建築士の資格を取得している)娘が設計してくれればよかったんですけど…」

 正子さんはそう語ります。

 それまでの家に住みながらの全面リフォームなので、第一期工事と第二期工事とに分け、今年の六月に工事が完了しました。

 リフォームのご感想は?との問いには、「まず、明るくなりましたね。以前は田の字の形に部屋があり、どうしても北側の部屋は暗かったのですが、天窓をいくつかつけたことによって、家全体がとても明るくなりまし

た」とは奥様の弁。

「昔馴染んだ住まいに使われていた梁や柱がふんだんに使われているんですが、小さい頃から愛着をもっていたので、ほっとしますね。

新築ですと、そういう物は一切残りませんから。それから、母(カノさん)の部屋との行き来がスムーズになったことで、健康状態もつぶさに把握できますし、母との距離が近づいたような気がします。もっとも、母だけじゃなく、それまで東京に住んでいた次男がここに戻って来て、ここから東京の大学へ通学しているくらいですから、住み心地はいいんでしょうね(笑)」とはご主人の弁。

 聞けば、リフォームをしてから、リビングに家族が集まる時間が増えたとのこと。リフォームは家族仲を親密にさせる効果もあるようです。

 また、床暖房を取り入れたことで、それまでの寒さが嘘のように暖かくなり、コタツもストーブも使わずに初めての冬を過ごしたそうです。

 一見、古民家風の村上さん宅、実はインテリアをよくよく見れば、ジャパニーズモダンそのもの。和紙や大谷石を効果的に用い、懐かしさを感じさせる憩いの空間でありながら、新しい日本のテイストを醸し出しています。

これらもほとんどがドクター・リフォームの提案だそうで、村上さんご夫妻はインテリアもかなりお気に入りのご様子です。

 同居している家族の人数は五人。それに対して部屋数は十。贅沢とも言える広い空間を生かし、これからどのような生活を描くのか、楽しみも尽きないようです。古い物や絵を集めるのが大好きと言う奥様は、それらのコレクションをどのように飾るのか、想像が膨らんでいるご様子。アユ釣りが大好きなご主人もご自分の部屋で針をしばる作業をしている時がとても心地よいとおっしゃいます。

 昔のテイストを残しながら、快適な住空間に変わった村上邸は、リフォームの可能性を充分に感じさせてくれました。

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