施工内容を詳しく解説します
近年、中古住宅のフルリノベーションでよく耳にするようになった
「断熱等級」。
新築並み、もしくはそれ以上の快適性を実現できる性能ですが、
「実際にはどんな工事をするの?」
「見えない部分はどう変わるの?」
という疑問を持たれる方も多いのが正直なところです。
今回は、高い断熱等級を実現するフルリノベーションの施工内容を、部位ごとに詳しく解説します。
そもそも「断熱等級」とは?
断熱等級6は、2022年に新設された高断熱基準で、
これまでの最高等級だった「等級4」よりも、はるかに高い断熱性能が求められます。
断熱等級6の目安(栃木県・宇都宮周辺の場合)
- UA値:0.46以下
- 冬の室温が下がりにくく、夏の暑さも入りにくい
- エアコン1〜2台で家全体が快適に保ちやすい
つまり、「我慢する省エネ」ではなく、
快適なのに光熱費が抑えられる住まいを目指す基準です。
① 床の断熱工事(基礎・床下)
施工内容
- 床をすべて解体
- 大引き・根太の状態を確認、必要に応じて補修
- 高性能断熱材(フェノールフォーム・高性能グラスウール等)を隙間なく充填
- 気流止め処理を徹底
ポイント
- 床下の冷気・湿気を遮断
- 冬でも「床が冷たい」を感じにくい
- 足元から暖かい体感を実現
👉 断熱等級6では床断熱の施工精度が非常に重要です。

② 壁の断熱工事(外壁側)
施工内容
- 内壁を解体し、柱・間柱を露出
- 既存断熱材の撤去(不十分なケースが多い)
- 高性能断熱材を壁厚いっぱいに充填
- コンセント・配線周りも丁寧に処理
- 防湿層・気密処理を適切に施工
ポイント
- 「断熱材を入れる」だけではNG
- 隙間・欠損・ズレを作らないことが最重要
- 夏の西日、冬の冷気をしっかり遮断
③ 天井・屋根の断熱工事
施工内容
- 天井を解体、もしくは小屋裏から施工
- 天井断熱の場合:300mm前後の断熱厚を確保
- 屋根断熱の場合は垂木間+付加断熱
- ダウンライト周りの断熱欠損対策
ポイント
- 夏の暑さの約7割は屋根から侵入
- 天井断熱を強化することで、2階の暑さが劇的に改善
- 冷房効率が大きく向上
④ 開口部(窓・玄関)の断熱強化
施工内容
- 樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)
- 必要に応じてトリプルガラス
- 既存窓は「内窓(二重窓)」で対応する場合も
- 玄関ドアも断熱仕様に交換
ポイント
- 熱の出入りの約50%は「窓」
- 窓を変えるだけで体感温度が大きく変わる
- 結露防止・防音効果も高い

⑤ 気密性能の確保(断熱等級6の要)
施工内容
- 気密テープ・気密シートによる処理
- 配管・配線貫通部の気密処理
- 床・壁・天井の取り合い部を重点施工
ポイント
- 断熱性能は気密が伴って初めて発揮
- すき間風がなくなり、室温が安定
- 計画換気が正しく機能する
⑥ 換気・空調計画とのセット設計
断熱等級6のフルリノベでは、
換気・冷暖房計画まで含めてワンセットで考えます。
- 第三種 or 第一種換気の最適化
- エアコン台数・設置位置の最小化
- 間取りと空気の流れを同時に設計
👉 「高断熱なのに寒い・暑い」を防ぐための重要な工程です。
断熱等級6フルリノベで得られる暮らし
- 冬:朝起きても室温が下がりにくい
- 夏:2階がムワッとしない
- 光熱費:新築ZEHレベル以下
- ヒートショックのリスク低減
- 家族全員が「どの部屋でも快適」
まとめ|正直にお伝えしたいこと
断熱等級6は、
「やろうと思えばできる」性能ではありますが、
- 費用対効果
- 既存住宅の条件
- お客様のご予算
を考えると、
すべてのリノベーションで最適解とは限りません。
だからこそ私たちは、
- どこにお金をかけるべきか
- どこは抑えても満足できるか
を一緒に整理しながら、
その家・そのご家族にとって最適な性能ラインをご提案しています。

Banana works LABO 年初め恒例企画として、スタッフ一人ひとりが今年の想いを込めた「今年の漢字」の写真を掲載しています。私たちの価値観や姿勢も感じていただけたら嬉しいです。
