リフォーム成功のコツは、何が譲れないか把握しておくこと
宇都宮市の田中弘一、景子さんは夫婦ふたり暮らし。三人のお子さんはそれぞれ東京で暮らしています。リフォームの直接のきっかけは、シロアリの発生でした。シロアリ駆除は大がかりな作業ですから、それなら家ごとなおしてしまえという話になったかどうかはわかりませんが、さっそくドクターリフォームサンセイに相談したのです。
というのは、田中家では現在の家を中古で購入した際も含め、過去に何度かリフォームを経験していて、ドクターリフォームサンセイとも先代社長の頃からの長いおつきあいでした。迷わずドクターリフォームサンセイに依頼されたかと思いきや奥様はきっぱり、
「いいえ。こういう時代ですから、他の業者さんも調べましたよ。家を見に来てももらいました。…でもねえ、やっぱり打ち合わせひとつとっても、何か違うなあと感じて…」
自分たちの好みも知り尽くしている設計担当者の方が、安心してまかせられると気づいて、やっぱりドクターリフォームサンセイを選んだのです。奥様は幾度かのリフォーム体験から、自分なりの哲学をお持ちの、いわばリフォームの達人。このたびのリフォームはどのように考えていらしたのでしょう。
「コンセプトは、主人の趣味のための家」。
ご主人は小学生の頃からミニカーの蒐集家として、今では一万台以上のコレクションを所有しています。実際に乗っている車も、コレクション同様ベンツファン。そしてBMWのオートバイも宝物なのです。以前からどうしても欲しかったベンツとオートバイのための駐車場を作ることが、リフォームの大きな目的のひとつでした。さらに、現在は倉庫にしまわれている、コレクションのためのホビールーム。
そして奥様は、以前から思い描いていた理想のオープンキッチンを実現しました。システムキッチンは使い勝手のよいものを選び、洗練された雰囲気の中で家事も合理的に進められます。以前は四つの部屋に分かれていた一階部分は、ご夫婦の寝室以外を広いリビングダイニングにリフォーム。
田中家はご夫婦それぞれの友人が多く、月に一、二度は必ず、家に集まってホームパーティが開かれます。旅行の打ち合わせとか、旅行の写真ができたからとか目的はさまざま。たくさんのお友だちとお酒を飲みながら楽しく語らうのが、おふたりとも大好きなのです。新しいリビングダイニングキッチンは、パーティのたびに活躍しそうです。
リフォーム前は大勢が座れる和室を使用していましたが、今度は思い切って椅子にしてみました。それによって、立ったり座ったりがとても楽になったとおっしゃいます。
それにしても、新しい部屋はそこかしこに遊び心があふれ、熟年夫婦のゆとりを感じさせるお住まいです。
室内は間接照明が多用され、独特の雰囲気をかもしだしています。ダイニングテーブル上のペンダントライトは、二重ガラス構造でセンスを感じさせるもの。照明でずいぶん遊んでいるという印象がうかがえます。
そしてキッチンのカウンターの腰壁と、仏壇を置くための一画には大谷石をワンポイントに施してあります。
「普通は収納にしたりするのでしょうけれど、あえて、無駄な部分を作るのもいいかなって思ったんです。リフォームもその時期によって何にポイントを置くかが変わってきます。もし子育ての最中だったら、何より合理性とか収納を優先したでしょう。でも今は家族も少なくなって部屋数も必要がないから、広いリビングや間接照明、というように遊び心をいちばんに考えました。これから先の人生を少しでも楽しいものにするために、今回のリフォームがあったと言っていいでしょうね」
さすがは達人だけあって、考え方がシャープです。そしていくつかの希望を伝えたあとは、全部設計担当者におまかせ、というのも築かれた信頼関係があってこそのもの。
設計担当者も、システムキッチンの大きめな取っ手をシンプルなものに付け替えたり、棚の扉にナチュラルウッドを張り付けるなど、この家については仕事を忘れて凝りに凝ったようです。最後に達人からのアドバイスとして、
「いちばん譲れないことは何かを、自分で把握しておくこと」。
なんだかとても、納得してしまいました。