誰のものでもない自分達だけの住まい
第二の人生を歩み始めた団塊世代により、徐々に注目を集めつつある『田舎暮らし』。定年を迎えた後はのんびり田舎で暮らしたい、そんな希望を持つ人たちが増えています。とは言っても、いざ住み慣れた土地を離れるということがたいへんなエネルギーを必要とすることは、想像に難くありません。
そんな不安や負担を乗り越え、十年越しの思いを実現した飯塚さんご夫婦。リフォームの完成したリビングで寛ぐお二人の笑顔からは、自らの望む生きかたを自ら選び取ってきた自信と、これからの生活への期待があふれ出ています。そんなご夫婦の軌跡をご紹介しましょう。
昭和五十六年、東京に一軒の住宅が新築されます。もともとインテリアにこだわりの強いご主人は地場の工務店に工事を依頼し、入念に打合せを重ね、納得のできる住まいを完成させました。その後、子どもたちの成長にあわせて増築も行い、幸せな生活を育んでいきました。
しかし、かねてから都会に暮らすよりも豊かな自然に囲まれた生活を望んでいたご主人。ついに五十歳の時に、『第二の人生は田舎で暮らす』ということを決断したのでした。「これまでは人の為に尽くしてきた人生でしたから、これから迎える第二の人生は自分のために生きたいと強く思うようになりました」。
多忙な五十代の日々は過ぎ、やがて定年が近くなってきた頃から、田舎暮らしの情報を集め始めます。そして、地方の中古住宅を購入し自分好みにリフォームをして移住することに決めたのです。家の広さ、周囲の環境、家からの眺め…。ご夫婦の希望を満たす物件を見つけるため、足を運んだ物件は三十を超えるといいます。そしてめぐりあった場所が、現在お住まいの那珂川町(旧小川町)だったのです。
リフォーム会社選びの決め手となったのは、この『家族の絆物語』。Dr.リフォーム・サンセイの『家族の絆物語』を目にして、会社の姿勢や仕事振りが伝わってきたと言います。「自分の会社を良く言うことはどこでもできることですが、掲載されているご家族の笑顔や社長のメッセージから、それがただの作文ではなく真剣にリフォームに取り組んでいる様子が伝わってきました」
その後ご夫婦は、早速リフォームの相談へ出向きます。同社の姿勢に共感していたことから、相見積もりはせずにプランニングを進めていきました。『豊かな自然とともに育む』というコンセプトのもと、東京では感じにくかった季節の移り変わりや自然の恵みを感じられるような空間作りが提案され、丘の上からの眺めが素晴らしい築三十七年、約四十坪の住宅を、全面リフォームすることとなりました。
住まいは、ご夫婦の要望によりLDKの梁を見えるようにして自然との一体感を持たせたほか、関心の高いエコキュートを取り入れた環境配慮型のオール電化住宅に。加えて、断熱材で家をすっぽりとくるむ外張り断熱を採用し、栃木県の厳しい寒さへの対策を施しました。
田舎暮らしの為の物件を探している際、ご主人は一年間の単身生活を送っています。「その一年間があったおかげで、お互いの大切さをより強く実感することができたんでしょうね」そこで、ご夫婦お気に入りのLDKにはちょっとした心配りが隠されています。ご主人からの提案により、夫婦間のコミュニケーションを増やすために、テレビをリビングではなく隣の和室に置くことにしているのでした。これにより、会話も自然と増えたと奥様もご満足の様子です。
引越しも落ち着いたご夫婦が、これからの楽しみとしているのが農業。お二人で農業大学校へ通い、勉強を始めました。「とにかく草むしりが大変で。まるで追いかけっこですよ」笑顔が眩しいご夫婦からは、これからの生活への期待と、自分らしく生きることの大切さが伝わってきます。