3人妹さんも「うぁー、旅館みたい」と絶賛!!
農家5代目宗一さんは、祖父が建てた築150年にもなる家と先祖達の思いを受け継ぎ、生まれた時から81年間ずっとこの家で暮らしきた。一家の大黒柱として、昭和27年に結婚してからは奥様と二人三脚で、両親や8人の姉弟妹さん達、4人の娘さん達を育て、見守ってきた。
以前は、玄関を入れると馬小屋や土間があり、囲炉裏を囲んで板張りの茶の間に五右衛門風呂だったそうだ。昭和49年に一部改装しただけで、あとは老朽化した所をちょこちょこ手直しする程度だった。将来的には同居を考えている長女から、「嫁いだ妹たちにとっては、生まれた家。おじいちゃん、おばあちゃんがいる所が一番。家の一番日当たりのいい場所が土間で、帰郷した時の居場所もない。どうしても、みんなが集まって寛ぎ、泊まれるスペースが欲しかった」と、リフォームを提案。
最初は、「ご先祖様の魂がこもった家を変えるのは申し訳ないし、思い出があるので淋しい。でも、若い人の気持ちを考えたら…」と、しぶしぶながら認めていた宗一さんだったが、大工も褒めるほどの、壁に隠れていた立派な柱や梁、鴨居を十分に活かしながら、ただ広いだけで使い勝手の悪い間取りが、広くて明るく機能的な空間に変わっていく様を日々目にして、「悪くはないな」と認めるように。なによりも、ごまかしのない職人の素晴らしい技と態度に感激し、ついには「よくやった。感謝している」ともらしたほど。大家族の家長として、受け継いだものを次の世代に残せる幸せを、しみじみと語っていた。