スタッフが働きやすい動線と診察時のプライバシーを確保
宇都宮市中心部の西に位置し、水と緑豊かな栃木県中央公園。そのほど近くに、新しいレディースクリニックが誕生しました。その前身は昭和三十五年に開業した金澤産婦人科医院。昨年の六月、名称を中央公園レディースクリニックと改めました。
以前から、女性の一生をトータルでサポートする病院でありたいという金澤院長の思いのもと、多くのマタニティサークルや女性特有の病気への理解を深めるための啓蒙活動を続けてきた同院。その思いのさらなる実現のため、思春期から出産、育児、更年期に至るまで女性のすべてのライフステージをサポートするクリニックへの転身の第一歩として、このたびのリフォームを計画しました。目指したのは、患者様の診察時のプライバシー確保し、さらに婦人科には行きづらいという心の垣根を取り除いて、リラックスできる空間を作ることです。
六年前に、金澤院長は自宅のリフォームをDr.リフォーム・サンセイに依頼しています。しかし今回は病院のリフォームだったため、あえて複数のデザイン会社から提案をもらい、入念に検討しました。デザイン性に富んだ提案も多い中で、デザイン性と同時に、そこで働くスタッフの動きやすさがしっかりと考慮されていたことから同社のプランを採用しました。
リフォームのポイントをご紹介しましょう。ひとつ目は室内の配色。以前は産婦人科らしいピンク色を基調としていましたが、一転してイメージカラーのパステルグリーンと白、プラチナカラーで全体をコーディネート。心の安らぎやリラックス効果をもたらすとされるさわやかな緑色が、訪れる患者さんを包み込みます。新たに設置された床暖房は、スタッフの皆さんにも大変好評のようです。
プランニングに最も時間を費やしたのは患者さんのプライバシーの尊重と、スタッフの適切な作業動線のバランスです。以前はそれぞれの診察室の間が完全に仕切られてはおらず、隣の診察室の会話が漏れることもありましたが、今回、壁やドアを設けることで独立した空間を確保しました。待合室にも仕切りを設けましたが、ポリカーボネートと呼ばれる半透明な素材を用いたことで、部屋と部屋が区切られていながらも決して孤立した冷たい印象を与えることなく、優しい空間を演出しています。
その上で、そこで働くスタッフの方たちがスムーズに作業できる適切な作業動線の確保にも努めています。プランニングにあたっては、昨春より一週間に一度の定例のミーティングを儲け、入念に打合せを重ねていきました、一階から四階までのリフォームで、その一階部分の打合せには全体のおよそ半分の時間をとったほどです。
その結果、閉鎖的で狭い印象のあった一階の受付は、たいへん開放的な空間へと生まれ変わり、同時に患者さんのプライバシーも尊重することができる機能的なプランともなったのです。
四階には、赤ちゃんとお母さんが集うお楽しみサークルバブークラブをはじめ、ヨガやアロマなど数多くのマタニティサークルの開催場所となるパークビュースタジオ、そしてセミナーなどを開催するためのヘルスケアラウンジが設けられました。女性の病気や検診の大切さに関する啓蒙活動も推進している同院にとって、今後ますます活用が期待されます。
時には、ヘルスケアアドバイザーの方と話したいと、スタッフへ直接指名の連絡がくることもあるそうです。リフォームでハードの面は整いました。患者さんとスタッフの心のつながりを大切にし、今後はソフトの部分もより充実させていきたいと思います
そう語る金澤院長。これからも中央公園の緑の木々のように、優しさとゆとりを多くの女性に与えてくれることでしょう。