リフォームに遠慮は無用。まずは意見をぶつけ合うことが肝心
宇都宮市郊外にお住まいの菱沼昌巳さんご一家は、ご夫婦と大学生の実穂さん、高校生の亮太さんのとても明るいご家族です。
リフォームを決めた理由はごく簡単。実穂さんが家から通える大学に進学することになり、その分の資金で家族がもっと住みやすい家に作り替えようというご夫婦の英断でした。
ところで、「なぜ、ドクターリフォームに決めたのですか」という質問への菱沼さんの回答は、「知名度が高く施工物件数が豊富で、写真で見た施工例が気に入ったから」。意外だったのは、菱沼さんは他の業者を一件も当たっていないと言うのです。少なくとも三、四件当たって比較検討というのが当たり前の昨今、そんなに簡単に決めてしまって、後で後悔はなかったのでしょうか。
「ドクターリフォームサンセイの名前は有名ですから、知名度の高い会社に依頼した方が安心できると思ったのです。福祉プラザでの相談会で私たちの希望全部と予算を話したところ、『無理ですね』。にべもなく言われてしまって…。こんな率直なことを言う会社なら大丈夫と、逆に信頼感が増したんです」
その印象は、工事が進むにつれ安心感に変わっていきました。最初は他のリフォーム初心者たちと同様、どこをどうしてほしいと具体的な説明をすることができませんでした。菱沼さんがいちばんありがたかったと感じたのは、設計や工事の担当者たちが打ち合わせでさまざまなアドバイスを繰り返しながら、菱沼さんたちの理想を具体的な形に引き出す手助けをしてくれたことだと言います。
奥様の礼子さんは北海道のご出身なのですが、宇都宮の冬には慣れることができませんでした。冬の北海道では室内の暖房は完璧で家の隅々まで暖かく、外がどんなに寒くても室内では薄着が当たり前。それに比べて宇都宮は、外もそこそこ寒いのに、家自体が寒冷地仕様ではないため、室内でも暖房から離れた場所では厚着をしていなければなりません。そんなわけで冬の菱沼家では、ハイカロリーのストーブ(寒冷地でしか販売されていない)を置いた居間に家族全員が集まり、宿題も読書も何でもここでと、こたつにひしめいている有り様だったようです。
そこでリビングには床暖房を設置し、南側の二窓続いていたテラスサッシのひとつを腰窓にしました。もともとこの場所にはソファが置いてあり、ソファの上に窓が広がっている方がデザイン的にもすっきりしているし、外からの視線も気にならなくなりました。
今では家族全員がリビングに集まり、ソファやパソコンデスクと、思い思いの場所に陣取ってゆったりと過ごしています。
玄関から入った廊下とダイニングの間の幅広の引き戸は、半分を壁にしました。さらに壁の二カ所をくり抜いて磨りガラスをはめ込んだ部分はインテリアのアクセントとなり、明かり取りの役目も果たしています。
ダイニングは生活動線を考えてシステムキッチンを配置し、仕事がしやすくなって家事が楽しくなったと礼子さんが語ります。廊下から入ってきたときキッチンが見えないようカウンターの立ち上がりを高くした工夫や、何を置くかを考慮してサイズを決めた造りつけの棚も、菱沼家だけの理想が形になったもの、と考えてよいのでしょう。
もう一カ所大がかりなリフォームは、長男亮太さんの部屋。施工前は和室で、いかにも和テイストの天井や暗い色の砂壁が暗い印象でしたが、施工後はシンプルで落ち着いた中にも若々しさを感じる雰囲気となりました。
以前よりも、部屋で過ごす時間が増えたのではないかとご両親は感じているようです。
「これで集中力が身につき、成績が上がることを期待します」とは父から息子へエール。
建築の知識がなくても、わがままかと思っても、遠慮せずに何でも口に出すことがリフォーム成功の鍵ではないかと語る菱沼さんですが、まさにそのとおりです。
知らない人が家に入ってくることには多少抵抗がありましたが、礼儀正しい振るまいに、不安もすぐに消し飛んだそうです。施工主の不安を先読みし、工夫と気働きで少しでも過ごしやすい環境を整えてくれる、そんなスタッフたちに感激の連続だったと振り返ります。
施工後の家は一〇〇%の理想に近いものだと満足していただいたのは、そんなスタッフの対応とも無縁ではないのでしょうね。