気軽に相談バルセロナ旅行記
『outputしているだけでは枯れてしまう 大切なことはinput』
・建築界の奇才アントニオ・ガウディ作品が点在する街バルセロナ。
地中海の穏やかな風と共に、都市の魅力と人間のパワーをinputしてきました。
アントニオ・ガウディの建築
ガウディとの出会いは、1992年のバルセロナオリンピック。マラソンランナーの後ろに映る、明らかに他とは異なる自由な形の建造物。それが、ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリア教会でした。13年後、現地を訪れた際、その壮大さに圧倒されました。特に夜間のライトアップは、建築を観るというより、街の中に突如として現れた土の山を見るかのような感覚を覚えました。教会内部は、果物や植物、動物が彫刻で表現されており、自然界のすべてを象徴するかのような空間でした。これが、ガウディが目指した「森羅万象・万物創生」の具現化であり、建築の新たな解釈だったのでしょう。2026年に完成予定とのことで、その瞬間もまた訪れ、異なる視点でその進化を感じ取りたいと思います。
グランシア通りのカサミラ・カサバトリョ
続いて訪れたのは、バルセロナの名だたるガウディ作品、カサミラとカサバトリョ。これらの建物は、それぞれ山と海をテーマにした集合住宅です。ガウディがどのように自然の力を建築に昇華させたのか、その秘密に触れることができます。鉄や漆喰などの素材と職人の手によって創り出された建物の数々は、ただの住居を超え、芸術の域に達しています。外観だけでなく、入り口や階段、手すり、屋上ダクトに至るまで、すべてが精緻で、どの角度から見ても感動を覚える美しさがありました。このようなデザインは、リノベーションにおいても非常に重要な要素となります。既存の空間に新たな息吹を吹き込む、そんな可能性を感じました。
建築家ドメネクとその作品
ガウディのライバルとも称される建築家ドメネクは、カタルーニャ音楽堂やサン・パウ病院などの名作を残しています。彼の建築には、モザイクタイルやステンドグラスがふんだんに使われ、カラフルで華やかな花の装飾が特徴です。病院の建物においても、空間自体が癒しを提供し、病気を癒す力があるように感じられました。特に音楽堂の天井のステンドグラスの美しさは圧巻で、あのような空間で音楽を聴けば、きっと心が癒されるのでしょう。建築は、機能だけでなく、空間全体が人に与える影響も重要だと強く感じました。
タラゴナとジローナの建築的魅力
バルセロナから列車で南下し、一時間ほどでタラゴナに到着。ローマ時代の遺跡が残るこの地には、2000年前に人々が競技を観戦していた円形競技場があります。そのロケーションと共に、時間を超えて続く建築の力強さを感じました。
また、北へ一時間半のジローナでは、城壁に囲まれた町並みが広がり、石畳の路地を歩くだけでも心が落ち着きます。歴史と自然が織りなすこの町は、建築が人々の生活と密接に結びついていることを改めて実感させてくれる場所でした。
建築が与える都市と人への影響力
バルセロナやその周辺の町々で感じたのは、建築がただの物理的な構造を超えて、その土地や人々の生活、そして文化に深く根ざしているということです。ガウディの建築がもたらした都市への影響力、ドメネクの建築が患者や訪れる人々に与える癒しの効果、タラゴナやジローナの歴史的な遺産が時を越えて息づく力。これらの経験は、建築がいかに人々の心を動かし、都市に新たな意味をもたらすかを教えてくれました。
次の旅行では、どのような都市や建築をinputして、自らの視野を広げていこうか。
hiroto yamaguchi
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