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2022.04.28価値ある2世帯リノベという選択

昨年から計画をお手伝いしてきた、『2世帯リノベ』の工事が、次々に完成し、GW前のお引渡しラッシュとなっています。
お引渡しの際、改めてご家族皆様のお話をお聞きすると、「本当に良い選択をされたなぁ」と実感することが、多くあります。

親が建てた築30~40年代の建物を、子世代が受け継ぎ、一緒に暮らす。
孫と一緒に暮らせることなど、ソフト面のメリットはもちろん、新築を選ばなかったことで土地代がかからないこと。祖父母の協力で、保育園の費用負担が減ることなどの、金銭的なメリットもたくさんあると、皆さんお話し下さいます。

今回は、先日お引渡しをした2世帯リノベ事例を用いて、私たちreform&renovation設計者から見た、『2世帯成功のポイント』をお伝えしたいと思います。

事例1:H様の場合
一人暮らしのお母様宅に、息子様世帯が、実家リノベをした、2世帯同居事例。
家を建てたお父様がお亡くなり、一人寂しくご仏壇に手を合わせ暮らしていたお母様。
老後の生活も心配だし、孫の成長も一緒に感じていきたいと、同居を決意されました。

☆成功のポイント
①お母様が常に家をキレイにされていた。⇒きれいに暮らしていることで、息子さんご家族(特にお嫁さん)が、お母様の家への愛着を感じ、「一緒に暮らそう。」という心理になりやすい。
②お嫁さん(若奥様)が穏やかに、全体のバランスをとっていた。⇒お打ち合わせ中、終始にこやかに接してくれた若奥様。保育士さんというお仕事柄か、話口調も優しく、義母様とご主人の間にたち、交通整理をしていた。
③皆さんの役割がハッキリとしていた。
「キッチンは妻。風呂は主人。お母さんは和室。」といったように、それぞれの役割分担がしっかりできていた。



事例2:K様の場合
ご両親が暮らしていた家(娘さんにとっては実家)をリノベーションし、その後、娘さん世帯が同居をした2世帯リノベ事例。
元々ご両親が2世帯(祖父母と)同居をしていた家。古くなり新築も考えていた建物だった。
娘さんが結婚し、孫も生まれたことで、新居を検討。その中で、実家の2世帯同居を実行することに。

☆成功のポイント
①ご主人(娘さんの夫)が、とても穏やかな方で、義理のご両親とのご関係も、とても良好だった。
②工事中、お父様が現場敷地内に仮住まい(蔵でキャンプ生活)をしてことで、日々の現場進行確認が出来た。
③娘さんのご実家だった。



まとめ
2つの事例からもお分かりのように、2世帯リノベーションが成功するために、絶対不可欠なことは、家族の中が良いことです。
そして、金銭的メリットも大切ですが、まずは一緒に暮らしたい。とお互いに思うかどうかが重要です。
また、昔からよく言われている、嫁姑問題は、2世帯リノベにおいても、ご予算と同じくらい、いやそれ以上にご家族の大きな課題です。
率直に言うと「誰かに偏った、大きなガマンは続かない」。という一言に尽きます。これまで別々に暮らしてきた世帯が一つ屋根の下に暮らすということは、誰もが少し何かを譲ることになります。
それを理解し、「部屋が小さくなっても孫と暮らせるなら問題ない。」「子育てを一緒に出来るなら、キッチンは共有でもオッケー!」と、皆が協力すれば、2世帯リノベがグッと具体的な理想の暮らしに近づいてくるのです。

GW、ご家族と過ごす時間も多くなるかと思います。新築やリフォーム&リノベーションをお考えの方、ぜひ一度、この2世帯リフォーム&リノベーションも、ご家族の間でお話してみてください。

Banana works LABO
一級建築士 山口弘人