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2022.03.23シリーズ建築について『床の素材』

お客様と、住まいの内装素材について打ち合わせを進めて行く際、多くのご質問をいただく『床素材の選び方』について、いくつかご紹介したいと思います。

まず、床材を選ぶにあたり、以下の4つの点にポイントを置き決めてみるのはいかがでしょう。

使う床材を・・・
・部屋の用途で決める
・インテリア性重視で決める
・メンテナンス性重視で決める
・価格で決める

例えば、洗面脱衣室。洗面台や洗濯機と。こちらの部屋では、水が床に落ちる可能性が、他の部屋よりも多くあります。
コップ一杯の水をこぼしたとして、それが広がる大きさは、座布団一枚くらいになってしまいます。直ぐに拭き取れれば良いのですが、知らないうちにお子さんがこぼしていた場合や、洗濯機の水があふれていた場合など、その水分が長く放置されてしまった場合、床下の水漏れや、シミがついてしまう原因となります。
それらを何度も繰り返していると、カビなどの原因にも繋がります。
トイレも含め、こういった水回りのお部屋には、タイルやビニール系の床素材をお勧めします。↓参考

Pタイル(プラスチックタイル)  
タイル状の塩化ビニル樹脂床材で、色や柄も豊富。比較的堅く、耐久性や耐磨耗性、耐薬品性にも優れています。


タイル  
耐久性、耐水性も高く、何より高級感は抜群。
気になる所は目地の汚れや、ひんやりとした足触りの冷たさや堅さ。濡れている時の滑りやすさも注意が必要ですが、表面に滑りにくい加工を施したり、目地の少ない大型タイルを使用すれば、デメリットを軽減できます。


次にインテリア性を重視した場合、高級感が出る絨毯や、素材感のある無垢材もお勧めです。
「飲み物をこぼしたら心配」と、敬遠されがちで、私たちの事例でも数が少ない絨毯ですが、寝室などの素足で歩く空間では抜群の素材感を発揮しますし、ベッドのリネンやカーテンとトータルでコーディネートすれば、より落ち着いた空間にも演出可能です。


そして無垢材。こちらも使ってみたいけど、メンテナンス性を重視すると、ソリが怖くて敬遠してしまう素材です。
実際にreform&renovationを検討される方も、6割以上の人が無垢材への憧れをお話しされますが、実際に使う人となると、その半分程度に減ってしまったいるのが現状です。
が、実際に無垢材床を選び数年暮らしているお客様に聞いてみると「やっぱりムクはいいね!」と、その良さをリノベーション完成当初より実感しているのも事実です。



最後に、価格で決める床材として、やはり定番はフローリング(合板)です。
合板フローリング材は、数枚を貼り合わせ、仕上げに様々なタイプの化粧材(無垢材やシートなど)を貼って工業的に製造されますので、大量に作られる分安価で、反りなどの狂いも少なく、建売住宅からハウスメーカー住宅まで、最も幅広く採用されている床材です。パッと見た感じも木の床に見えるので、完成時の見栄えも良いと言えます。
デメリットを挙げるとすれば、経年変化・劣化時は、仕上げ材が剥がれ下地が見せてしまい、とても残念な床になっていくことです。


こうしてblogに書いてみると、改めて「床材選びは、簡単ではない。」と思います。reform&renovationをお考えの方も、ぜひ色々な床を見て、自分の好きな床材を見つけてみて下さい。

ドクターリフォーム
team Banana works LABO
一級建築士 
山口弘人