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2021.12.15シリーズ建築について『外観』

リフォーム&リノベーションを主に手掛けている、我々ドクターリフォームBanana works LABO。
最近ある新築プロジェクトに携わらせて頂く機会があり、改めて『建築について』自分たちのコダワリを話し合っている。

そんな中から今回は、住宅建物の外観についての考えを記述してみる。

屋根について
切妻・寄棟・片流れ・・・ 建物の印象ががらっと変わる重要な要素。
だが、本来の屋根の意味は、デザインの前に、家全体の快適性を重視して設計したい。

兼好法師の言葉。徒然草より
『家の作りやうは、夏をむねとすべし。』

昨今の猛暑を思い浮かべれば、誰もが納得できる言葉であるが、ではどのようにして夏場快適な住居は造れるのだろう。
それに大きな影響を及ぼすのが、屋根だ。
「庇がない家がシンプルでカッコいい」と、特に若い世代のお客様から聞くことがある。
デザインは人それぞれの好み。それも良いだろう。

「では、庇なしで」では、納得できる家にはならない。
庇の意味を理解しよう。

太陽の南中高度という専門用語がある。




図のように、庇は夏場の高くギラギラ光る太陽から住居内に影を造り、冬場の低く入る陽射しにはさほど影響もない。
まさに夏をむねとすべし。だ。

人生一度の大きな買い物である家。土地と建物の方位や関係も十分に考慮しながら、屋根の形を決めてみたいものだ。
ご自身の家の屋根は、どのような形ですか? これから家を建てるなら、庇どうしますか?

一級建築士 山口弘人