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2020.11.12カナダから学生さんがゲンバ研修に

先日、カナダから一時帰国している学生さんが、[建築・インテリアの勉強に]とドクターリフォームサンセイに、研修にいらっしゃいました。

高校生の時にカナダへ移住。まずは語学を学び、大学でインテリアを専攻。将来はインテリアデザインを仕事として、バンクーバーで個人事務所を開くのが夢だとのこと。
それには何が必要か?と日々考え、コロナ禍でもその歩みを止めることなく、「日本の建築現場を見たい」と、精力的に話してくれました。

そんな真っすぐな思いに、今私たちが出来ることはなんだろう?こちらも真剣に考え、3つの現場をピックアップし、ゲンバ研修を実施。

➀来週OPEN 廣島屋へ 宇都宮市宮園町8-8
宇都宮市中心部、松が峰協会近くにあったベロカフェが、新たに『廣島屋』としてオープンします。オーナーは同じく、お料理研究家の越石直子さん。ベロカフェのお料理も大好評でしたが、コロナ禍で今後の方向性を考えた時、これからは小さくても一人一人にしっかりと目が行き届くお店にしたい。と、出身地の広島へ一時帰郷し、故郷の味を学び再スタートを切ろうとしているお店です。
ここでは、オープン間際の最終段階で、どのように職人さんたちが仕事を進めて行くのか。そして、自信が将来飲食店をデザインする際に、どんな知識が必要になるのか。などを、お話させていただきました。

➁数年前に完成し、運営中のカフェへ https://takaneman.co/
日光街道を少し北に向かった、宝木本町にあるタカネマンコーヒー。
元は自宅だった建物の一階部分を、数度のリフォーム&リノベーションを重ねて、現在のカタチに辿り着いた、隠れ家的な人気Café。
ランチをしながら、オーナーのタカネマンさんにお店作りについてお話を聞かせて頂く機会もあり、デザインだけではなくお店を運営していくには、具体的に何が必要なのかといった、経営に関係する話もさせて頂きました。

➂解体・基礎工事中の住宅リノベーション現場へ fujimigaoka
築40年近く経過した2階建木造家屋の全面リフォーム&リノベーション。ちょうど基礎工事の型枠を組んでいるところでしたので、学生さんから職人さんへ工事内容に関する質問もあり、職人さんたちからは学生さんへ「応援しているよ!がんばってね!」とエールの声がありました。国や年齢は異なっても、同じ仕事をしている仲間。そんな気持ちが両者の中に芽生えたように見えました。

以上3件をご一緒させていただき、彼女からカナダの業界事情を聴き、今回私が感じたことは、日本とカナダのインテリアデザインに対する考え方や、国内での職業的地位の違いでした。
カナダでは、インテリアデザインの資格が国家資格であり、その試験の中には建築的な法律もかなりの割合で含まれているそうです。よってそのハードルの高さに比例して地位も非常に高く、大規模な仕事を任される機会も多いそうだ。
これと比べて、日本のインテリアコーディネーターの仕事は、建築的要素はそれほど多く求められていません。あくまでも装飾の域を超えないデコレーターという位置づけにあるのが現状です。インテリアコーディネーターが大規模なリノベーションを手掛ける事例は、皆無に等しいとも言えるでしょう。建築とインテリア、この2つのバランスを重視し、これからも私たちは、ニッポンでオリジナルの道を歩んでいきたいと思います。どこかの国で、リフォーム&リノベーションの仕事が出来る機会を夢見て。



将来、彼女がカナダのインテリアコーディネーターとして大活躍する日を、私たちドクターリフォームサンセイスタッフも、陰ながら応援しています。また遊びに来てくださいね。

一級建築士&インテリアコーディネーター 山口弘人