私のお風呂の考え方
家族で暮らす時間の中で、私にとって特別な存在、それが「お風呂」です。妻と7歳、6歳、3歳の3人の子どもたちとの毎日は、仕事の忙しさと育児の慌ただしさが重なり、あっという間に過ぎ去っていきます。そんな中、お風呂の時間は私たち家族にとって「一日の終わりに一息つける癒しの場」であり、「家族の絆を深める大切なコミュニケーションの場」でもあります。
お風呂は家族時間の中心
現代の暮らしでは、家族それぞれが忙しく、全員で顔をそろえる時間が限られています。けれども、我が家ではお風呂の時間を家族全員で共有することが習慣になっています。
湯船に浸かりながら子どもたちが学校や幼稚園での出来事を話してくれるその時間は、何気ない会話の中に成長を感じられるひとときです。子どもたちはそれぞれ「今日はこんなことがあったよ!」と話し、私たち夫婦も仕事や日常の話を交えながら、家族全員でリラックスした空間を楽しんでいます。
お風呂は単なる体を洗う場所ではなく、心を洗い、家族の絆を温め直す場所。その大切さを日々実感しています。
在来浴室で味わう「贅沢な時間」
昨今、住宅の浴室と言えばユニットバスが主流です。もちろんユニットバスの便利さや機能性は魅力的ですが、私は自宅のリノベーションにおいて、あえて在来工法の浴室を選びました。その理由は、「家の中で最も贅沢な時間を過ごせる場所にしたかったから」です。
我が家の浴室は、床と壁にはタイルを使用し、見た目の美しさと清潔感を重視しました。また、タイルのひんやりとした感触が、温かい湯船との対比で心地よさを際立たせてくれます。さらに、天井は木で仕上げ、木材特有の温かみと自然な香りを感じられる空間を実現しました。この「タイルと木」の組み合わせが、視覚的にも触覚的にも癒しを与え、家族全員が快適に過ごせる場所になっています。
お風呂時間がもたらすもの
お風呂に浸かると、仕事でのストレスや体の疲れがすっと抜けていくような感覚になります。そして、その空間を家族と共有できることが、私たちの暮らしに豊かさを与えてくれていると感じています。
さらに、子どもたちにとっても「お風呂での家族時間」は貴重な記憶として心に残るはずです。大人になったとき、きっと「あの頃みんなでお風呂に入って話した時間が楽しかったな」と思い出してくれるでしょう。
家族とともに育む住まいづくり
私は建築士として「住まいが家族にとってどのような役割を果たすのか」を常に考えています。お風呂という空間がただの洗い場ではなく、家族のコミュニケーションや心の安らぎの場として機能することで、住まいそのものがもっと意味を持つのではないでしょうか。
これから家づくりやリノベーションを考えている方には、ぜひ「お風呂時間の質」にも注目していただきたいと思います。Banana Works LABOでは、お客様のライフスタイルに合った贅沢な空間づくりをご提案しています。家族時間を大切にする視点から、一緒に理想の住まいを実現していきましょう。
山口 弘人
一級建築士
妻と3人の子どもたちと過ごす日常から、家づくりのヒントを見つける毎日です。