現役時代は、会社内で竹刀を振り回し誰もが恐れおののいた山口慶之助氏。
私も息子として、物心ついた時からその恐怖の中で育ってきました。
中でも一番怒られた記憶があるのが、母のお見舞いに行かないと行った時のこと・・・
あれは中学校2年の夏でした。
友達とファミコンに熱中していた午後の楽しいひととき。
仕事途中に帰宅した父は「お母さんのお見舞いに行くぞ!」と一言。
私「え~昨日も行ったじゃん」
父(無言)ダッ ブチッ! バーン!
私&友達「・・・」
激昂した父が、ファミコンを引きちぎり庭に放り投げたのです。
その当時、ファミコンと言えば、少年の宝物。なんでそこまでするのか!?
実は後から知ったのですが、母の余命は残り数カ月だったのです。
もちろんそれを教えてくれていれば、母のお見舞いにもっと行っていたでしょう。
ですがそれは、タラレバの話。
父なりの優しさで「風邪だからすぐに良くなる」とウソをついてくれていたのです。
あれから早33年が経過し、40才で亡くなった母の年齢を子供たち3人全員超えることが出来、父も元気に剣道を楽しんでいます。
命の長さは人それぞれ。長いから良いということではないとも思いますが、やはり思い出は多く創れますね。
一休けんちくし やまぐちひろと
