今回の現場では、外壁工事に左官工事が入りました。
近年の住宅では工期短縮とコスト削減の為か、外壁下地と仕上げが1回の作業で仕上がるサイディングが主流となり、新築での左官仕上げの外壁はほとんど見なくなってしまいました。
一軒の住宅での左官工事で、布基礎のモルタル仕上げや、土間コンクリートの仕上げだけということも多いそうです。
リフォームの場合、半数以上は往年のモルタル下地の住宅が多いのですが、今回のように大きな面積の左官仕上げは、やはり少なくなってきました。
私がこの業界に入ったころは、左官工事が入る前の下地造りに「ラス下地」と言う工種(防水紙を貼りその上にラス網を貼る)があるのですが、それだけを専門にしている職人さんがいるほど、左官仕上げの工事は多かったものです。
今回は、最近なかなか目にすることのなくなった左官工事、特に外壁モルタルを塗る前の「ラス下地」をご覧ください。
黒く見えるのが防水紙で、金属の網目状のものがラス網と言う材料です。
このラス下地の上にモルタルを2度重ね塗りして、乾燥後に吹付塗装などをして完成します。
左官仕事は日本の風土と文化と共に発展し、現代まで受け継がれています。
近年では熟練した左官職人さんが少なくなっているそうですが、左官の技を絶やす事の無いよう伝承してほしいものです。
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