「その業務の適正を図ることにより、建築物の質の向上および国民の生命、健康および財産の保護に資することを目的とする。」
──これは、建築士法の第1条に明記された、建築士制度の原点とも言える一文です。
この法律に守られているのは、単に“建物”ではありません。そこに暮らす家族の命と日常、そして未来です。
私たちドクターリフォーム・Banana Works LABOが日々向き合っている「リノベーション」も、まさにこの理念の上に成り立つ仕事です。
とくに築30年・40年を超える住宅の再生では、「間取りを変える」ことや「見た目をきれいにする」だけでは済まない、本質的な設計判断が求められます。
【事例①】「段差がない=安心」ではない
宇都宮市内で築35年の木造住宅をリノベーションしたA様邸。
ご高齢のご両親と同居を始めるにあたり、「家の中をすべてバリアフリーに」とご相談いただきました。
しかし、現地調査を行った建築士の判断は、「むやみに床を平らにするのは危険」というものでした。
なぜなら、その住宅は基礎の高さが異なる増築を繰り返した構造で、無理に床を一体化すると、湿気やたわみ、将来的な床鳴りや沈下のリスクが高まることがわかったのです。
結果として、段差を解消する場所と、あえて残す場所を見極めた「選択的バリアフリー」が実現され、ご家族にも納得いただける安心・快適な住まいとなりました。
【事例②】見えない“危険”に気づく専門性
築40年の中古住宅を購入し、フルリノベーションを計画されたB様ご夫婦。
最初の段階では「間取りを変えて明るいLDKにしたい」「壁を抜いて広くしたい」といったご要望が中心でしたが、建築士が構造チェックを行った結果、ある問題が発覚しました。
それは、2階の荷重が1階の壁に集中していたこと。
見た目だけでは判断できませんが、そのまま1階の壁を撤去していたら、将来的に構造上の問題が生じる恐れがありました。
建築士の提案により、梁補強と柱の新設を施し、間取りはそのままに、安全性を確保したうえでの開放的な空間設計が実現しました。
リノベーションに「建築士の視点」が必要な理由
家は、ただ“今”快適であればいいというものではありません。
10年後、20年後、家族構成が変わり、体力が落ち、災害リスクが高まったときでも、安心して暮らせる住まいであるためには、「見えない部分」への設計的配慮が欠かせません。
それを担えるのが、法的・構造的な知識と責任をもった「建築士」です。
単なるデザインや価格の比較だけではなく、「自分たちの暮らしをどう守っていくか?」という視点で、リノベーションを考えてほしいと私たちは願っています。
Banana Works LABOのリノベは、建築士とつくる。
私たちのリノベーションには、すべて建築士が関わります。
初回のヒアリングから、プラン提案、工事中の監理まで、家の安全と性能をしっかりと担保する設計者として、お客様と伴走しています。
「建築士=新築の人」というイメージが根強くありますが、実は今、既存住宅の性能向上こそ、建築士の腕の見せどころです。
見えないリスクに気づき、永く住める価値をつくる。
それが建築士の仕事であり、私たちが手がけるリノベーションの本質です。
「家の未来に、建築士の視点を。」
そう思っていただけたら、まずは私たちのオープンハウスや個別相談会にぜひお越しください。
リノベーションの裏側にある「安心」のつくり方を、直接ご覧いただけます。