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2025.07.02

「オール電化住宅は本当にお得?私たちが“おすすめしない”理由と、見逃されがちなリスク」

光熱費が抑えられる、火を使わないから安心、環境にやさしい。
そんなイメージで広く普及してきた「オール電化住宅」。とくに太陽光発電+エコキュート+IHという組み合わせは、ひとつの理想的なエコライフとされてきました。

けれど、私たちBanana Works LABOでは、オール電化を前提とした住まいづくりを積極的にはおすすめしていません。

その理由は、「今」だけでなく、「10年後」「20年後」のことまで考えたときに、決して“ラク”でも“コスパが良い”とも限らないからです。

■ オール電化住宅に潜む“見えにくい未来の出費”


オール電化住宅は、光熱費の一本化ができて家計管理がしやすいのが特徴です。
しかし、その反面、生活の要となる多くの電化設備が10年〜15年で一斉に寿命を迎えるという現実があります。

たとえば…

エコキュート(給湯器)
約10〜15年で寿命。交換費用は約40万〜60万円。
修理が難しく、ほぼ全交換が前提になるケースが多いです。

パワーコンディショナー(太陽光設備)
約10〜15年で故障・性能低下。交換には20万〜30万円以上の費用がかかることも。

IHクッキングヒーター
約10〜15年で部品供給終了。こちらも故障すると買い替えが前提。

これらのタイミングが重なると、10年後以降に数十万円〜100万円近い出費になる可能性も。
また、導入当初は魅力的だった固定価格買取制度(FIT)も10年で終了し、太陽光の売電収入も期待しづらくなります。

つまり、光熱費が安くなるどころか、設備更新費用がかさむ住まいになってしまうリスクがあるのです。


■ 万が一の災害時、“オール電化だけ”では不安が残る


日本は地震や台風、雷などの自然災害が多い国です。
そうしたときに「停電=すべての暮らしが止まる」というのが、オール電化住宅の弱点でもあります。

調理ができない(IH)

お湯が出ない(エコキュート)

暖房が止まる(エアコンや蓄熱暖房)

これに対して、ガスとの併用型住宅であれば、一部のライフラインが止まっても生活をつなぐ術が残されます。
私たちは、万が一のリスクまで想定し、生活を止めないための住まい設計を大切にしています。

■ メンテナンスフリーではない“オール電化”


「電気だから壊れにくい」「メンテナンスが少なくて安心」と思われがちですが、それは誤解です。

むしろ、エコキュートやパワーコンディショナーなどは高性能で繊細な機器。
定期的な点検や交換部品の確保が必要であり、決してメンテナンスフリーな設備ではありません。

また、10年〜15年の節目には、修理部品の製造が終了していることも珍しくなく、「もう直せません」と言われて一式交換になることも多いのが現実です。

■ だから私たちは、“エネルギーの分散”をすすめています


電気に頼りすぎる暮らしよりも、電気とガス、それぞれの特徴を活かし合う暮らし方の方が、
長い目で見て「安心・安全・経済的」であると、私たちは考えています。

IHだけでなくガスコンロや薪ストーブを併用

オール電化の設備を使いながらも、ガス配管は残しておく

災害時の備えとしての“エネルギーミックス”

設備選びも、今この瞬間だけで判断せず、「いつか壊れるときの話」をしっかりとご家族で共有しておくことが大切です。

■ 住まいは“今”より“これから”のためにある


Banana Works LABOが目指しているのは、「長く、心地よく、安心して暮らせる住まい」。
そのためには、目先の光熱費や補助金ではなく、“暮らしの持続性”を考えた設計が欠かせません。

だからこそ、私たちはオール電化住宅を“お得”とは簡単に言いません。
むしろ、「このまま電気だけに頼って大丈夫?」と一緒に考えることを大切にしています。

まとめ
オール電化住宅には、たしかに便利さや快適さもあります。
でもその一方で、定期的に大きな出費を伴うメンテナンスリスク、停電時の不便さなど、「後から気づく落とし穴」が存在するのも事実です。

10年、20年後も「この家にしてよかった」と思える住まいをつくるために、設備選びも含めて、じっくりと向き合っていきましょう。

▽ ご相談ください
Banana Works LABOでは、「将来を見据えた住まいのつくり方」について、いつでもご相談をお受けしています。
オール電化住宅にお住まいの方のリノベーションご相談も可能です。

まずはお気軽に、あなたの「これからの暮らし方」の話を聞かせてください。