INPUT TRAVELインプットトラベルブログ

Thailand

タイ旅行記

フランス・イタリア・イギリスなどヨーロッパ各国をこのinput*travelの渡航先に選んで数年経ち、なんだかその隣国同士を比較している気がしてきたので、近いけど知らない国がたくさんある東南アジアに目を向けてみることにした。


 2010年の春、バンコク市内は軍も出動するほどのデモ緊急事態宣言真っ最中だったが、警戒エリアはほんの一部。タイの情勢に限らずメディアの情報だけで物事を判断することの危うさを改めて実感した。



チャオプラヤー川沿いに立つワットアルンを代表とした寺院は、陶器の破片で装飾された鮮やかなものや、足がすくむほどの急角度の階段で昇って行く塔を有する寺など、様々な建物を楽しむことができ、そこに集まる大勢の人びとから、タイ人の信仰心の厚さを知ることもできた。



 タイにはお正月(4月13日~)にソンクラーンという水掛け祭りがあり、たまたまその期間に旅をしていた。もともと仏像を清めることが目的だそうだが、現在ではとにかく誰彼構わず水をバシャバシャかけまくるクレイジーなイベントだ。相手が観光客であっても、カメラや携帯電話を手に持っていても、そんなことはお構いなし。白い粘土のようなものを顔に塗られ、寒さでブルブル震えるほど全身ずぶ濡れになるまっても水を掛け続けられ、暑さと同時にストレスも一気に吹き飛ばしてくれるお祭りだった。





 鉄道に乗り北へ80㎞、古都アユタヤへ。町中にある遺跡を自転車で回った。ビルマ軍の侵略を受けた際に破壊され、修復されずに残っていた所に熱帯モンスーン気候で発育の早い樹木が覆いかぶさりミステリアスな現在の形になったそうだ。壊すことから生まれるデザインこれもまた違った視点のインプットになった。





 国立公園などもあり観光地としても人気が高いカンチャナブリーまではバンコク市内からバスで3時間。第二次世界大戦中にイギリス・オランダ・アメリカなど各国の捕虜を総動員し日本軍が異例のスピードで完成させた伝説の『戦場に架ける橋』は、映画にもなり現在でも泰緬鉄道博物館を通してその歴史が伝えられている。




 戦争がない現在は、日本の技術や日本人の管理能力を地下鉄やオフィスビル建設などの商業的な場面で国際的に発揮している。その力で多くの国の人びとが喜んでいる。戦争になれば一転し技術が人を苦しめる。旅の途中出会ったタイの人たちは、みんな素敵な笑顔だった。その笑顔の大切さを感じ、笑顔の魔法で心を開かれた旅でした。





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